日頃のお手入れ
肝心!
の巻

~庭園の管理と修理~

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松の手入れの様子

文化財になっている庭園は、寺院、神社、お城、住宅などにあります。主な庭園の種類としては、池庭、枯山水かれさんすい茶庭ちゃにわ露地ろじ)などがあります。

庭園の保護のためには、日ごろの掃除、年に1~2回の樹木の剪定せんていのほか、数年ごとの竹垣のやり替えなどが必要です。また、石組、池、建造物、石造物などはおおよそ十年から数十年に一度、傷んだところを修理します。建造物は大工さんが修理しますが、それ以外の手入れや修理は庭園の技術者が行います。

庭園は植物という生物を材料とするので、その管理には高い技術が必要とされます。我々は、植物の花や葉、幹などの色、形、香りなどを楽しみますが、植物は日々生長し変化します。技術者は、植物を健康に育てつつ、数年先を見越しながら、剪定などによって樹木の形を整えたり、花や葉の付きをよくしたりします。

また、多くの庭園は水という動きのあるものを材料としています。長い年月の間に護岸の石組の間から水が入り込んで石組が緩んでしまった時などは、修理をします。その際、古文書、絵図、実測図、古写真などの史資料の調査のほか、発掘調査なども行って、作庭時や前回の修理の状況を確認しながら慎重に行います。

台風や大雨、地震で地形や石組に被害があった時にも同様に、史資料や発掘踏査の成果に基づいて修理をします。

日頃から手入れをしっかり行っていると災害時の被害も比較的小さくてすむことが多く、また史資料などの情報を収集しておけば、被害があった場合も早く復旧ができます。

庭園の保護には日ごろの手入れが大切で、その手入れや修理の際には技術者が重要な役割を果たしているのです。