なんと、わが城の天守が重要文化財に指定されたのじゃ。
早速皆の者に知らせねば。
私、みんなに自慢するわ!
えーっと、うちのお城はとってもすごいもので……
うーん、
なんだか上手く説明できないものね。
姫、まずは「文化財」なるものを分かっておるか?
だから、うちのお城とか建物の事でしょ?
無論、わが城も文化財じゃ。
しかしなぁ、姫、
それだけではないぞ。
例えば仏像や絵、古い書物、刀なんかも文化財じゃし、庭園や古い町並みなどの景色もそうじゃ。
そして形のあるものだけではなく、昔ながらのお祭りや歌舞伎などの芸能、さらには職人の技術など形のないものまでもが文化財なのじゃ。
へぇ~!!
文化財って言っても、
そんなに色々あるのね!
知らなかったわ。
そうじゃ。
わが城の天守はたくさんある文化財の中でも、重要なものとして指定されたということなのじゃ。
もしかすると、将来的には更に価値の高いものとして国宝になる…
なんてこともあるかもしれぬな。
聞いたことあるわ。
もし国宝になったら
もっともっと自慢しなきゃ!
しかしな、姫。
重要文化財や国宝になるという事はたしかに華やかなことではあるが、それだけ大事なものとしてこれから先もずっと守り伝えていかねばならぬという責任もあるのじゃ。
実に身の引き締まる思いじゃ
なるほどね。
たしかに、これまでずーっと守り伝えられてきたものは、私たちもそのまま守り続けていきたいわね。
よしっ、パパがいなくなっちゃっても、私に任せて!
いやいや、まだまだワシは元気じゃ。
姫の孫のそのまた孫を見るくらいには長生きするんじゃ。