木・草・土などの自然素材を建築空間に生かす知恵、周期的な保存修理を見据えた材料の採取や再利用のしくみ、健全な建築当初の部材とやむを得ず取り替える部材との調和や一体化を実現する技、これらを含む建築修理の技術です。
これらの技術は、日本の木造建築遺産とともに古代から途絶えることなく伝統を受け継ぎながら、工夫を重ねて発展してきました。法隆寺をはじめとする歴史的建造物の保存修理には欠かせない技術ですが、現代の建築物では用いられることが少なくなっています。
「伝統建築工匠の技」は、木工・屋根葺・左官・装飾・畳など、17の伝統的建築技術(文化財保存技術)で構成されています。これらの技術は、文化財建造物の保存とともに、持続可能なストック型社会の実現に大きく貢献することができる、木造建造物を受け継ぐための伝統技術です。